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1か月のご無沙汰です。　博多の結婚相談所　「世話焼きオジサンの一日」久しぶりに更新させて戴きます。

ちなみにプロフィール写真を変更しました。（うーん、チチに似てきた・・・）

さて、久しぶりにブログのネタでも探しにと、カメラを片手にホタルの光を求めて、八女市立花町まで出かけてまいりました。情報によればホタルは立花町の長瀬公園周辺によく出ているとのこと。ホタルが見えるのは暗くなる夜8時頃とのことなので途中ぶらぶらと気ままに車を走らせておりましたら、瀬高町周辺で「壇一雄　文学碑→」の看板を発見！

実は10年ほど前に能古島にある壇一雄が最後に住んだ家を見たことがありました。能古島の文学碑には『モガリ笛　幾夜もがらせ　花ニ逢はん』の文字が。「最後の無頼派」作家・文士と言われ病床で「火宅の人」の最終章を口述筆記で書き上げ遺作となりました。私も興味が湧き「火宅の人」を読んだことがあります。壇一雄の生き様を反映したこの私小説は、今までに読んだことがない強烈なインパクトがありそれでいて清々しさもある不思議な印象が残ったのを覚えています。映画「火宅の人」の緒方拳も脂がのってきたころで最高でしたね。そして原田美枝子の裸身も美しかった・・・。

しかしこんなところになんで壇一雄の文学碑があるのだろう？ホタルを見るまでにまだ時間もあるし、ちょっと立ち寄ってみることにしました。

福岡県みやま市瀬高町小田平田　善光寺

実は年譜を見て分かったのですが、壇一雄の父親の出身は柳川だったんですね。壇一雄自身は山梨で生まれたのですが、家庭の事情や両親の離婚などでいろんなところに移り住んでいたんですね。そして昭和21年（33歳）のときに妻の律子が死亡。3歳足らずの長男太郎を連れて、小郡市松崎の母の実家や（小郡にもゆかりがあったとは！今度調べてみよう。私も実家は小郡なんですよ。）山門郡冲ノ端（柳川市）などを転々としたあげくこの善光寺の住職宅の２階の借間を間借りして幼い太郎と一緒に暮らしたそうです。

右端が壇一雄で左端が善光寺のご住職。

終戦間もない頃ですから日本中が貧しい時代だったのですが、一雄と太郎の寺での暮らしは隙間風が通り抜け、雨戸も障子もない板敷20畳に畳2枚を置いて薄い布団を一重ねで寝ていたそうです。もちろん食べるものもあまりなく、ほとんどが芋粥や人参、菜っ葉の雑炊でした。

お寺で写真を撮っていたら、当時は15歳（女学生）で住職の娘さん、現在は坊守の原口博江さんにお話しを聞かせてもらいました。しかも美味しいお茶をごちそうになりました。（八女茶かな？）昨年は壇一雄生誕100年の記念式典が瀬高町の公会堂であり長女で女優の壇ふみさんも来られたそうです。

「壇さんは詰襟の国民服に軍隊用の靴で、頭は親子とも丸刈りで太郎ちゃんもお父さんと同じ国民服でお父さんに手を引かれてあどけない足取りで山寺に見えました。父（住職）とすっかり気が合った檀さんは早速、寺に住むことを決められました。2階の柱には「タロウノハハ」と書いた位牌が貼ってあり朝、夕には「ハハにおまいりしよう」と言ってもみじのような手で拝んでおられてました。またよく「チチ、お山にのぼろう！」と言って檀さんの肩車で山の頂上まで大きな声で歌を歌いながら階段を昇り降りするのが日課でした。」※映画「火宅の人」でもあったように一雄のことを「チチ」と呼ばせていたんですね。

その当時の話をいろいろお聞きしていたら、涙が止まりませんでした。（このころの映画を作れないものかな。）妻、律子がなくなって死中のどん底だったのですが、太郎との生活は貧しいながらも笑いの絶えない生き生きとしたものだったようです。そして、佐藤春夫や川端康成らの叱咤激励の手紙によりあの不朽の名作、「リツ子その愛」など一連の作品の構想が練られたそうです。

聞けば聞くほど、面白い話が聞けて作家　壇一雄にますます興味が湧いてきました。やっぱり何でも自分の目で見て調べてみないとわからないことっていっぱいあるんですな。これだから、ぶらり旅は面白い。

最後に帰る間際に奥様の原口さんが言われた言葉が印象的でした。「私は、どうもあの火宅の人だけは信じられんとですよねえ。あの壇さんがそんなこと（女優と事を起こしたことのくだり？）をする人には思えんとですよ。笑」

「・・・・・ノーコメントで・・・・」

おっと肝心のホタルをお伝えするのはまた次回で！

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