『祝婚歌』　吉野弘

こんにちは。

福岡市の結婚相談所　エンジェルロードの石松恵子です。

 

昨晩のＮＨＫnews watch9のピックアップで先日、亡くなられた詩人の吉野弘さんの特集を放送していました。

吉野さんの代表作のひとつが、41年前にできた「祝婚歌」。“夫婦が仲むつまじくあるための心構え”　を綴った詩です。

これは吉野さんが47歳の時、詩人として活躍していた頃、結婚して20年が経ち、夫として妻にきつくあたっていた自らの戒めとして、奥様に感謝の言葉を詩に綴ったものだそうです。

私もまだ若い頃に聞いたことはあったのですが、その時はピンとこなかったのですが、昨晩はこれを何度も読み見返しては反省する事多く・・・

長年にわたって読み継がれ、今も披露宴のスピーチで新郎新婦に送られることが多い「祝婚歌」。愛され続けているのがわかる気がしました。

ご紹介します。

『 祝 婚 歌 』（しゅくこんか） 吉野 弘 

二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

立派過ぎないほうがいい

立派過ぎることは

長持ちしないことだと

気づいているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい

完璧なんて不自然なことだと

うそぶいているほうがいい

二人のうち どちらかが

ふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは

少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは

相手を傷つけやすいものだと

気づいているほうがいい

立派でありたいとか

正しくありたいとかいう

無理な緊張には色目を使わず

ゆったりゆたかに

光を浴びているほうがいい

健康で風に吹かれながら

生きていることのなつかしさに

ふと胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そして

なぜ 胸が熱くなるのか

黙っていてもふたりには

わかるのであってほしい

 

 

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2014.01.31｜